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ロックの部屋

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VAN DER GRAAF GENERATOR

ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイター『The least we can do is wave to each other』


【ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイター】をプログレッシヴ・ロックと呼んでいいものか疑問があります。ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイターはヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイターであってそれ以上でもそれ以下でもない。彼らだけの独特の世界である。なぜなら彼らの音楽は他の一般的なプログレバンドが好んで用いていた楽器、メロトロンやシンセサイザーをほぼ使用していなかったかったし、言葉によるメッセージ色の強さはピカ一だった。技巧や大げさなアレンジ、コンセプト主義に陥っていたバンドとは一線を画していたから。

キーボードはあくまでオルガンですし、フルートやサキソフォン等の生楽器をメインにしている。このアルバムは彼らのセカンドアルバムです。1969年の作品らしくアートロック風味な音楽。中期以降の彼らはフリー・ジャズの要素も見え隠れしていたのだけど、ここでは緩やかでポップな曲が大半を占めています。

そしてなんと言っても彼らの最大の魅力はリーダーでヴォーカリストのピーター・ハミルの声である。癖はかなり強いのですが、この声にはまってしまうとなかなか抜け出せない。私も70年代現体験で聴いていたのですが、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイターの音楽が解っていたかというと疑問が残ります。言葉が主体なのは明らかで、英語もろくに解らず聴いていました。でもナチュラルな音楽で、心地よいと感じていたのは間違いなくて、プラス、ピーター・ハミルの声の魅力・魔力にとりつかれていました。

音的に目新しいもの刺激的な物はなかったので、彼らは日本では無視されていました。ロック雑誌で彼らの記事を見たこともありませんでした。それは今も状況は変わっていないようで日本盤のCDは発売されていないようです。【キング・クリムゾン】のロバート・フィリップが何枚かに参加しているという事で注目された向きもあるようですが……

で、実は最近になってまた彼らのロックに私ははまっちゃいましてレコードラックから引っ張り出してきて良く聴いているのです。このアルバムを含めて3枚持っていますがどれも良いです。特にこのセカンドは好き。売らなくてほんと良かったですよ。(…と言っているけど、もう後3枚持っていたけど売ってしまった。)

70年代には難解だと思っていた、彼らの音楽も今聴いてみると繊細でアコースティックで優しい事に改めて気が付きました。古さも感じさせません。

ピーター・ハミルはブリティッシュ・ロック界指折りの詩人であった事は間違いないはずで、カリスマ性も断トツです。

あなたもヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイターの世界にはまってみない?




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